このように日米食品貿易の興隆と共に昭和期を歩んだ西本貿易も昭和後期に到り大きな岐路に立たされます。従来の単純な貿易業務では新しい時代に生き残ることは難しく、昭和後期からの停滞傾向を逸回する為には新しい事業方向が必要とされました。
ここで当社は事業内容の一層の国際化推進と製造から販売までを一貫して手がける能力の整備という二つの目標を掲げました。これは、世界の食品市場が従来にも増して国際化するという見通しと共に、そこで求められる価値がより多様化・高度化するという予見に基づくものでした。実際その後の海外での日本食ブームや海外製食品・食品原料の輸入の増大は目を見はるものがあります。また、輸出入食品に求められる価値基準は価格だけではなく高度な安全性を始め、より高い加工度、繊細な食味やパッケージングなど急速に多様化して来ました。